DIRECTOR'S NOTE
今、世界は多くの問題を抱えていますが、
この映画はそういった世の中を少しだけ明るくする、
命の賛歌でもあると思っています。
私自身がそうだったように、
都会で本来の人間らしさや生きる意味から切り離された生活を送る人々に、
人生の与えてくれる出会いの美しさ、そして命の素晴らしさを、
劇中のタケシと共に体感していただけたらと思っています。
KENTARO
INTRODUCTION
日本を代表する俳優に成長した柳楽優弥、再び世界の舞台へ
満を持して挑んだ日本・モンゴル・フランス合作
14歳の時に『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞して以来、『ディストラクション・ベイビーズ』「ゆとりですがなにか」といった意欲的な作品で着実にキャリアを積み重ね、2021年も『HOKUSAI』『太陽の子』など主演作の公開が相次ぐ柳楽優弥。本作は、その演技力と唯一無二の個性で国内外の映画人からオファーが絶えない柳楽が、新たな挑戦として臨んだ初の海外合作である。柳楽本人も本作について「(タケシが)大人になっていく道のりが、僕自身の成長記録とも重なっている」「即興的な演技は『誰も知らない』以来初めてで、このやり方が好き」と語っており、他では見ることのできない俳優・柳楽優弥の表情と輝きがつまった作品となっている。
監督・脚本を手掛けたのは、海外で育ち4カ国語を操る国際派俳優として『キス・オブ・ザ・ドラゴン』や『ラッシュアワー3』など多数の欧米作品に出演、現在はアーティストとしても活躍するKENTARO。初の長編監督映画となる本作では、その文化と自然に魅了され、自身が長年通い続けているモンゴルを舞台に、国境と世代を超えて魂が響き合うロードムービーを作り上げた。栄えあるオープニング上映を飾った第68回マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭では FIPRESCI賞(国際映画批評家連盟賞)と“型破りかつ表現力に優れた作品”に贈られる優秀賞の一つである才能賞の二冠に輝き、映像のクオリティに焦点を当てた第28回カメリマージュ映像美術国際映画祭にも招聘されるなど、ヨーロッパの映画祭を中心に喝采を浴びているロードムービーがついに日本に上陸する。
THE STORY
モンゴルの草原で未知の自分と出会う
国境と世代を超えて魂が響き合うロードムービー
裕福な家庭で甘やかされて育ち、道楽生活を送る日本人青年タケシは、実業家の祖父により外モンゴルの草原へと送り込まれ、終戦後に生まれて以来、再会することが叶わない祖父の娘を探すことになる。モンゴル人の馬泥棒・アムラをガイドに、ミスマッチなコンビは果てなく広がる空の下、現実離れした大自然へと旅立つ。運転手付きの観光気分で来たタケシだったが、ラグジュアリーな日本の生活とはかけ離れたアムラのポンコツバンに揺られながら、想像もしなかった鮮やかで生命力に溢れる世界に分け入っていく。そんな中、アムラが逮捕されてしまい、タケシは着の身着のまま人気のない荒野に一人取り残される。途方に暮れるタケシだったが、その先には忘れられない出逢いと経験が待ち受けていた。
THE CAST
柳楽優弥_YUYA YAGIRA三郎の孫・タケシ_TAKESHI
1990年3月26日生まれ。2004年、スクリーンデビュー作『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭の史上最年少・日本人初となる主演男優賞を受賞。2016年、『ディストラクション・ベイビーズ』でヨコハマ映画祭、キネマ旬報ベストテンの主演男優賞を受賞。その他の主な出演作に、映画『許されざる者』(13)、『クローズEXPLODE』(14)、『最後の命』(14)、『合葬』(15)、『銀魂』シリーズ(17・18)、『夜明け』(19)、『泣くな赤鬼』(19)、ドラマ「アオイホノオ」(14)、「ゆとりですがなにか」(16)、「おんな城主 直虎」(17)などがある。主演映画『HOKUSAI』と『太陽の子』、Netflix映画『浅草キッド』が2021年公開予定。
アムラ・バルジンヤム_AMRA BALJINNYAMモンゴル人の男・アムラ_AMARAA
ウランバートルとロサンゼルスを中心に俳優・プロデューサーとして活躍。モンゴル語のほか英語も堪能で、ハリウッドに初めて進出したモンゴル人俳優として知られる。出演・プロデュース作 “THIEF OF THE MIND”(11)でモンゴル・アカデミー賞作品賞と主演男優賞、 “TRAPPED ABROAD”(14)で同主演男優賞、 “THE FAITH”(16) でアジア世界映画祭ロサンゼルス・観客賞を受賞。その他の主な出演作に “SLAVE CONTRACT” (08)、Netflixドラマ 「マルコ・ポーロ」(14-16)、モンゴルのクライムアクション映画『リーサル・コネクション』(19)などがある。
麿赤兒_AKAJI MARO大企業の経営者・三郎_SABURO
1943年生まれ、奈良県出身。1965年、唐十郎の劇団「状況劇場」に参画。1966年、舞踏家の土方巽に師事。1972年、「大駱駝艦」を旗揚げ。大仕掛けを用いたそのスペクタル性の高い様式で「BUTOH」を世界に浸透させる。映画・ドラマにも多数出演し、ジャンルを超えて独特の存在感を放つ。主な出演映画に『ツィゴイネルワイゼン』(80)、『菊次郎の夏』(99)、『キル・ビル』(03)、『極道めし』(11)、『まほろ駅前狂騒曲』(14)、『翔んで埼玉』(19)、『地獄少女』(19)、『バードソング』(20)などがある。
ツェツゲ・ビャンバ_TSETSGEE BYAMBAA遊牧民女性_NOMAD WOMAN
ヴェネチア国際映画祭で新人監督賞にあたるルイジ・デ・ラウレンティス賞受賞作 "KHADAK”(06)に主演。世界各国の165の映画祭に招致され、シンガポールで開催されたAsian Festival of 1st Films映画祭で主演女優賞を受賞した。その他の出演作にモンゴルのクライムアクション映画『リーサル・コネクション』(19)などがある。
サラントゥーヤ・サンブ_SARANTUYA SAMBUUツェルマ_TSERMAA
14歳で女優デビュー。100本以上の舞台に出演、20本以上の映画に主演している。主な出演映画作品に ”MUNKH TENGERIIN HUCHIND”、 ”ZURKHEN SHIVENSEN UG”、 ”UNENEES KHOL” などがある。モンゴル・シアター・アカデミー(GEGEEN MUZA)理事長。モンゴル政府から上位文化勲章 MUAJ(Mongol State People's Artist)を授与されている、モンゴル映画界を牽引する大女優。
サヘル・ローズ_SAHEL ROSA三郎の秘書_THE SECRETARY
1985年生まれ、イラン出身。8歳で来日。高校生の時に芸能活動を始め、映画『西北西』(18)や主演の短編『冷たい床』(17)でイタリア・ミラノ国際映画祭の最優秀主演女優賞を受賞。その他の主な出演映画に『ペコロスの母に会いに行く』(13)、『みんな!エスパーだよ!』(15)、『銃 2020』(20)、『VIDEOPHOBIA』(20)などがある。『女たち』が2021年公開予定。
諏訪太朗_TARO SUWA警察署長_THE COMMISSIONER
1954年生まれ、東京都出身。自主映画を経て『九月の冗談クラブバンド』(82)でデビュー。名バイプレイヤーとして多数の作品に映画・ドラマに出演。主な出演映画に『おくりびと』(08)、『冷たい熱帯魚』(10)、『かぞくのくに』(12)、『地獄でなぜ悪い』(13)、『アレノ』(15)、『シン・ゴジラ』(16)、『貞子』(19)などがある。
西山潤_JUN NISHIYAMA若き日の三郎_YOUNG SABURO
1998年生まれ、神奈川県出身。子役としてキャリアをスタートさせ、『サイレン』(06)で映画デビュー。主な出演作に映画『20世紀少年』シリーズ(08)、『おかあさんの木』(15)、『心が叫びたがってるんだ。』(17)、『鬼ガール!!』(20)、近年のドラマでは「福岡恋愛白書14」、大河ドラマ「いだてん」などがある。
佐藤乃莉_NORI SATOタケシのガールフレンド_THE GIRLFRIEND
新潟県出身。2007年映画『LOVEDEATH~ラブデス~』で女優デビュー。その翌年『ミッドナイト・ミート・トレイン』でハリウッドデビュー。主演映画『月光』(16)は第32回ワルシャワ国際映画祭インターショナルコンペティション部門選出とハンブルク映画祭に招待。その他ドラマにも多数出演。2019年主演・短編映画「ウーマンウーマンウーマン」は下北沢映画祭と田辺・弁慶映画祭で観客賞受賞。最近ではTVCM「カメラのキタムラ」に安田顕演じる夫の妻役として注目を集め、ヒロインを演じる映画『HAKONIWA』が2021年公開予定。
ガンゾリグ・ツェツゲ_GANZORIG TSETSGEEアムラを追う警察官 "ハーディ"_POLICEMAN HARDY
映画芸術大学卒業後、テレビシリーズや映画に出演し続けるモンゴルコメディ業界の第一人者。30本以上のコメディライブに出演し、50本以上の映画で主要・脇役を務める。
ウンダルマ・トゥヴシントゥシグ_UNDARMAA TUVSHINTUSHIG若き日の三郎が恋するモンゴル人女性スヴト_SUVD
国立演劇学院を卒業。本作で映画デビューを果たした。
THE FILM CREW
監督・脚本・プロデューサー:KENTARO
海外で育ち、マルチリンガル俳優として、欧米の映画・テレビドラマで活躍。リュック・ベッソンがプロデュースした『キス・オブ・ザ・ドラゴン」やハリウッドの人気作『ラッシュアワー3』に加え、ヨーロッパのインディペンデント作品に出演する個性派俳優である。俳優業と並行して音楽、アート、ファッション等のPV、ドキュメンタリーを監督・プロデュースするなど、様々な映像テクニックやスタイルの実験を試みてきた。本作が初の長編監督映画となる。
撮影:アイヴァン・コヴァック_IVAN KOVAC
オーストラリアでライティングデザイナーとしてキャリアを開始。日本に拠点を移してからは、ドキュメンタリーのディレクターやMV、映画、広告の撮影監督として活動。短編ドキュメンタリー『原発20キロ圏内に生きる男 ALONE IN THE ZONE』(14)はWEBBY AWARDSで入賞。撮影を手掛けた映画『MR. JIMMY』(19)は サウス・バイ・サウス・ウエスト(SXSW) 映画祭等で上映された他、堤川国際音楽映画祭では大賞(LOTTE賞)を受賞している。映像のクオリティに焦点を当てた第28回カメリマージュ映像美術国際映画祭への本作選出にも貢献した。
美術:エルデンビレグ・ビャンバッツォグ_ERDENEBILEG BYAMBATSOGT
多数の映画作品で、美術、アートディレクター、衣装デザイナーとして活躍。モンゴルにおける美術監督界の第一人者。モンゴル教育文化科学省から「モンゴル文化功労者」に選ばれている。
音楽(テーマ曲):ルル・ゲンスブール_LULU GAINSBOURG
故セルジュ・ゲンスブールとモデル兼歌手のバンブーを両親に持つ音楽家。バークリー音楽院で学ぶ。2011年、父の残したフレンチ・ポップの名曲の数々をルーファス・ウェインライトやジョニー・デップらをゲストに迎えて再演したファーストアルバム『FROM GAINSBOURG TO LULU』を発表。2015年、全曲オリジナルで構成したセカンドアルバム『LADY LUCK』を発表。2018年には、父セルジュの自宅でレコーディングしたサードアルバム『T’ES QUI LA』をリリース。現在パリ、ニューヨーク、アムステルダムで4枚目のアルバムを制作中。映画音楽は本作が初となる。
音楽(挿入歌):オキ_OKI
作曲家としてこれまでに40作品以上の映画音楽を担当したほか、モンゴル人アーティストやオーケストラに100曲以上の楽曲提供を行っている。モンゴル・アカデミー賞では「最優秀映画音楽賞」を3回受賞し、近年ではモンゴル・シネマ・アワードで「最優秀音楽賞」を受賞。モンゴル映画のみならず、ロシア、中国、トルコ等の映画にも参加。初めての日本とのコラボレーションとなった本作では、カンツォーネをモンゴル伝統楽器のみでアレンジしている。 2019年にはモンゴル文化への貢献を評価され、大統領よりモンゴル国北極星勲章(ATLAN GADAS)が授与された。
劇場情報
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劇場情報は随時更新いたします。
東京
関東
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- あまや座上映終了
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中部
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